認知症対策にという目的で、足つぼを受けていただくお客様も増えてきています。認知症の方に足つぼを受けていただくと
「頭の中がスッキリした」
「何というかス~と晴れた感じがする」
「いつもはなかなか寝付けないのにぐっすり眠れて次の日の朝が気持ちいい」
「落ち込んだり、変なことを言ったり、徘徊したり、大声を出したりしていたのが、次第に落ち着いてきた」
という感想をいただきますし、「認知症の症状が軽くなってきた」という、うれしいご報告もいただいています。
最初はご自身の意思ではなく、ご家族の方に連れてこられて、というケースがほとんどです。中には「なんでこんな痛い目にあわないといかんのや!」と怒り出す方もいらっしゃいますが、カラダの変化を実感されて、次第にご自身の意思で受けにこられるようになるパターンも多いです。残念ながら「痛いのはイヤ」と、2回目がない方もおられますが。。。
認知症の初期段階は本人が苦しみます。覚えているはずの事が思い出せない。 そもそも思い出すべきものがあったことがわからない。「もしかして自分は認知症?」と自覚症状があり、本人に葛藤が生まれます。
そして、症状が進行すると今度は家族など、周りの人が悩みます。本人の自覚症状(病識)が消えてしまうため、周りの人が振り回されてしまうのですね。徘徊も社会問題ですし、認知症が原因の行方不明者も、年間1万人(2013年度は1万322人)という恐い数字もあります。その数倍の人が悩みを抱えているということだと思います。
そんな認知症も、厚生労働省や総務省統計局の調べを参考にすると、現在、高齢者の7人に1人は認知症ということになります。2020年には、65歳以上の4人に1人は認知症になっていることが確実視されているとのこと。認知症は他人事ではなく、たくさんの人たちが関わらざるを得ない、大きな問題です。
あまりにも急速に、介護が必要な人の数が増えてきたので、厚生労働省の『認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)』には「住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることを基本においています」とあります。
わかりにくい文言ですが、要するに『在宅介護に切り替えていきましょう』ということ。国の財政や制度では限界がでてきているので、社会全体で高齢者を支え、最終的には「認知症も、できるだけ自分たちでなんとかして下さいね」ということになりそうです。
新オレンジプラン
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html
認知症は脳に水がたまる、異常なタンパク質が脳に溜まる、脳が異常に萎縮している、神経伝達物質が減少している・・・などが原因で、起きているということが確認されていますが、その根本は脳への血流が悪化していること。脳に栄養が行き渡らないから機能が衰えるのです。
ということは、認知症の予防や回復も脳への血流を上げてあげればいいということになります。パズルを解く、計算ドリルをするなど頭を使うと認知症予防に効果があるとされているというのも、脳の血流が上がるからという理屈です。
世の中にはいろんなお薬がありますが、一時的に血管を拡張するものはあっても、残念ながら血の巡りを良くするものはありません。同様に認知症に効く薬もありません。世界中で研究者が必死に開発を試みていますが、仮にいま発見に至っても実用は何十年先。それに基本的に薬物には副作用がつきもの。強力なお薬はカラダへの負担も大きいのが実情。
やはり、足つぼ(足もみ)はおススメです!血流改善は足つぼ(足もみ)の得意分野です!しかも副作用などカラダへの悪影響はもちろんありません。
現在の科学でも、足裏の刺激は脳を活性化させ集中力や精神的安定に深く関わっているとみていますし、スタンフォード大学が2014年に発表した研究では、「座っているより歩き回っている方が、脳の活動は60%上昇しより創造的になる」と、脳への血流が促進されることは証明されています。
ドラマや演劇などでその場を行ったりきたりと歩くことで深く考えるシーンを表現することが多いですよね。また、経験的には、例えば曲作りの構想を練るとき、仕事上の新しいテーマを考えるときなど、机に向かって頭を抱えるより歩いて足裏に刺激を与えてあげた方が新しいアイデアがでやすいです。iMacやiphoneなどを世に送り出したアップルのスティーブ・ジョブズも、歩きながら問題解決のアイデアを思いつき、そして誰かと歩きながら会議までしていたようです。オバマ前米大統領も積極的にwalking meeting(歩き会議)を取り入れていたそうです。
これはつまり足裏に刺激を受けることで、脳への血流が促され活性化しているから。そしてこれは個人的な推測ですが、徘徊は本能的に脳へ血を送ろうとする行動ではないかと思うのです。あくまで個人的な見解ですが大きく的外れというわけではないと思います。
足湯をすると全身がポカポカしますよね。これは全身の血流が良くなっているからなんです。もちろん頭部への血流もよくなっています。 足裏の血行が良ければ、頭部の血液循環も良好になるので、逆に足裏の血行が悪ければ、頭部の血流も悪化するといえます。血の循環が悪くなっているのは、老廃物の塊が足の裏にぎっしりたまっているから。
普段から血の巡りを回復させるためには足裏の大掃除が必要です。やさしいソフトマッサージでは老廃物の塊は崩れてくれません。なので、最初の頃はとても痛いと思います。でも段々足は柔らかくなり全身の血行も回復し、正しい勢いで脳に血液が送られるようになります。そのころには心地いいマッサージだと感じていただけるはずです。
ちなみにですが、認知症や不眠症といったトラブルを抱えている方の足を揉むんでいくうちに「よくわからないイライラや怒りの感情が込み上げてくる」と言う方がいらっしゃいます。その後感情も落ち着いてトラブルも改善されるので、おそらく好転反応だと思われますが、もしご家族の方が足を揉まれるのであれば、そういうことも起きるんだということを知っていただきたいと思います。
認知症をはじめ、頭部トラブルの場合、特に指を念入りに揉むことが重要です。神経が緻密に走っている手の指を使うと脳が活性化されるということは良く知られていますが、足の指も同じように神経が緻密に走っています。反射区的には頭部に深く関係しているのは親指です。足の親指には、脳下垂体、三叉神経、小脳、脳幹、大脳など、頭部に大きく影響しているポイントが集中しています。認知症を含めて睡眠不足など頭部に不調を抱えている方は親指が硬くなる傾向があります。
ちなみに脳梗塞のように頭部に明らかなトラブルを抱えている方は、親指が石のようにカチカチに硬くなっている方が多いです。老廃物が溜まって、さらに硬化(結晶化)してしまっています。普段から足の裏、特に親指をよく観察し、「親指が硬くなり始めると要注意」と思っていただいていいと思います。
ところで、最近非常に注目されているのが踵(かかと)への刺激。踵への刺激すると発生するホルモンが脳の海馬に働きかけ活性化させることが分かってきたようです。歩く、踵落としをする、硬いもので叩くなど踵への刺激も効果があるようです。
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