「きんは100歳100歳」
「ぎんも100歳100歳」
100歳を越え、CMやテレビ出演によって大人気となったきんさん・ぎんさん」。 一時はテレビで見ない日はないというくらい大注目された双子の姉妹。100歳を超えても元気で、マスコミからの問いかけにも冗談を交えて明瞭に受け応えする姿は「理想のおばあさん」とたたえられていましたよね。
実は、きんさんはマスコミにとりあげられる前は自力で歩けることができなかったらしいです。移動するときには、常にご家族の方に背負われていたそうです。さらに「1から10まで数えることができない」「あいうえおさえ言えない」ほどの認知症も患っていました。
一方のぎんさんは元気そのもの。そのぎんさんが口癖にしていた言葉が「人間は足から死ぬ」。普段から歩くことで足を鍛えていました。
自分の足で歩くことができるぎんを傍で見ていたきんさんは「ぎんはよく歩くぞ」「わしもぎんのようになりたい」と一念発起。きんさんも足を鍛えることを決意しました。
90代後半から亡くなるまで毎日のように下半身、特にふくらはぎを鍛え、足裏からふくらはぎをマッサージすることで血流の改善を徹底して行いました。その結果、自力で歩けるようになるまでになったのです。当時は「高齢者の筋肉トレーニングは危険」「100歳近いと筋肉を鍛えることは不可能」というのが常識でしたが、きんさんはそれが間違いだと言うことを身をもって証明してくれたのです。
足の筋肉が鍛えられ、歩けるようになると記憶力も驚異的な回復をみせ、認知症を克服!歩くことで全身の血の巡りがよくなり、脳への血流も増えたことが要因だとみられています。
メディアの前で元気に動き回り、冗談もまじえハキハキとした受け応えするという、私たちが知るきんさんは懸命な努力の後だったわけです。
きんさんの最期は、普通に病院で点滴をうけ、普通にご飯を食べ、いつもどおりに就寝。翌朝いつもの時間には起きてこないのでご家族の方が起こしにいくと「寒いから寝とる」というのが最期の言葉になり、そのまま息を引き取りました。死因は心不全と言うことになっていますが、お医者様が「こんなに簡単に逝けるなんて。。。あやかりたい」というほど穏やかだったそうです。
亡くなるその日まで認知症が再発せず寝たきりになることもありませんでした。
きんさんが残した言葉の中に、『歩けんようになったら人間おしまいだ。』というのがありますが、とても重みのある言葉だと思います。
100歳まで歩ける! きんトレ──成田きんさんの筋力トレーニング
自由国民社
きんさんの筋肉トレーニングを担当された先生が、「きんトレ」の様子を詳しく書かれています。関心がある方はぜひ。
一方のぎんさんは認知症の発症も無く、元気そのものでした。 最期もマスコミの取材中「疲れたからちょっと横になってきます」といって息を引きとったそうです。ぎんさんの死因は老衰。まさにピンピンコロリ。最期までお元気でした。
ぎんさんが亡くなった後、長寿研究のため家族の同意の下、病理解剖されました。ぎんさんの脳を調べることによって、深刻化する認知症問題に新たな光明がさすかもしれないためです。
ところが解剖の結果、驚くべきことに、ぎんさんの脳に関する報告書で、認知症の常識をくつがえすある真実が明らかとなりました。
それは、アルツハイマー型認知症の原因とされている「老人斑(βアミロイド)」というタンパク質で出来たシミが、ぎんさんの脳から多数見つかりました。つまり、ぎんさんの脳はアルツハイマーに侵されていたということになります。
恐らく100歳を迎える頃には、すでにかなりの数の老人斑ができていたはずであり、当然、認知症の症状もでていたはず。ですが、私たちの知るぎんさんは、多数のテレビ番組に出演し、明瞭な受け答えをしています。きんさんは克服したとはいえ、90歳を迎える頃に「1から10まで数えられない」ほどの認知症を患っていました。ところが、ぎんさんはそういった症状は一度もみられなかったそうです。医学常識上、つじつまが合わないのです。
そこで研究者たちは、ぎんさんの生活を徹底的に検証しました。その結果、特徴的だったのが以下の4点。
・よくしゃべる
・よく歩く
・新聞を読む、ニュース、特に国会中継は欠かさず観ていた
・魚の摂取量の多さ
・「よくしゃべる」
ぎんさんの言葉に「わしらは双子だったから長生きできたんだね」という言葉が残っています。話すという行為は脳の血流が活発になるので認知症に効果があるとみられています。
・「よく歩く」
きんさんが認知症を克服できた一番の要因は足を鍛えて歩けるようになったこと。歩くことで全身、特に脳への血流が高まり認知症の症状を抑えることができたとされています。ぎんさんは安全のため杖をつかうものの基本的には自分の足で歩けていました。
ぎんさんの口癖が「人間は足からダメになる」。
これにきんさんは大きく刺激を受けました。
・「新聞を読む」
・「ニュース、特に国会中継は欠かさず観ていた」
これも脳を使う=活性化ということでしょうね。最近は施設でもパズルや計算トレーニングをとりいれているところが多いですよね。
・「魚の摂取量」
大好物であったタイを毎日のように食べていたそうです。 魚にはDHA・EPAが豊富。これも最近認知症に効果があると注目されてきました。でも毎日となるとなかなか難しいものです。そんなとき、【話題の「食べる油」、エゴマ油とアマニ油】でもとりあげましたが油だと大さじ1杯で充分な量を摂取できるということでオリーブオイルやエゴマ、アマニ油が大注目されていますよね。
これらの習慣は、ぎんさんの4人娘にも受け継がれていて、毎朝声に出して新聞を読む、4人でいっしょに8000歩程度の散歩をする、毎日ぎんさんの家だったところに集まり、ちゃぶ台を囲んで雑談し大笑いするのが日課だそうです。全員90歳以上の、これまた長寿かつ健康の姉妹ですが、こういったところにその秘訣があるのかもしれませんね。
アルツハイマー型認知症。その根本的な治療法が確立されるには、まだまだ長い年月がかかると思います。それまでの間、私たちが脳を健康に保つため、きんさん・ぎんさんから学ぶべきものは多いと思います。 基本は全身の良好な血液循環ですね。やはりそこに行き着くと思います。
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カテゴリ:健康メモ