突然ですが、これ何だと思いますか?大きさはだいたい3~4センチほどです。
答えは後ほどとして、こんな場所に硬くなった角質、いわゆるタコを作っていませんか? ↓ ↓
指と指の間にできるタコは厄介です。親指と人差し指にできることが多いのですが、人差し指と中指の間、中指と薬指の間と位置は問いません。とにかく指と指の間をかかと方向に下がったところです。
今までいろいろな方の足裏を見てきましたが、女性に圧倒的に多いですね。一番大きな原因はハイヒール。その形状から体重を1箇所で支える構造になっています。全体重が非常に狭い範囲を圧迫し続けることになります。人間の皮膚は長時間の強い圧迫と摩擦が続くとタコができます。竹刀ダコやペンダコと同じです。
見た目を優先したハイヒールを履き続けた結果できるタコなので、おしゃれダコと呼ばれることも。ただ見た目が悪くなるだけで終わればまだいいのですが、体重を足裏の3点で支えるところを、タコとかかとの2点で支えることになり、スケート靴で歩いているような状態になります。なので足首は不安定になり、バランスは内や外に簡単にぶれてしまいます。ぶれたバランスを修正しようと体全体が緊張し、足や腰、背中、首、頭などに慢性的な筋の張りや痛みがでたりするわけです。
頭痛がするから頭に原因があるかというとそうではなく、実は離れた足裏にあったというのは珍しいことではありません。タコそのものは痛くないので、まず気付きませんね。
ちなみに、「魚の目」も刺激により皮膚が変形してできたものですが、こちらは痛いです。凸状に盛り上がったものがタコ、凹状に内部に穴を作ったものが魚の目。内部に食い込み神経を圧迫するので魚の目は痛みを伴うのですね。
このイラストの場所にタコがありませんか?
これらのすべての場所にタコができているのであれば要注意です。すでにそうとう足裏に負担をかけてしまっていますよ。靴による圧迫がかなり大きいのだと思います。
負担がかかっているのに放置し続けると、骨や関節が時間をかけて変形してゆきます。その結果が外反母趾や内反小趾とよばれるものですね。これらは神経や血管を圧迫するので足の血行を著しく阻害し、全身の血液循環も悪くなり、いろいろなトラブルの原因に発展するわけです。
タコやイボは削ったりお薬で消すことはできますが、できてしまった原因が変わらない限り同じように再発します。この写真のような大きなタコになる前によく揉み解しておきましょう。もちろん、できてしまってからだと厄介なので、今できていなくても普段からよく揉み解すことで予防になります。
さて冒頭の写真の答えです。実は足の指の間に走っている神経です。イラストの赤い部分にある神経ですね。モートン病とういう症状の手術で摘出された神経の「コブ」です。
この病気は足の指と指の間に走っている神経が、関節の変形で圧迫を受けて痛みを発する病気です。足指の付け根にしびれや痛みを伴い、歩こうと第一歩目を踏んだ瞬間「バリバリバリ」と裂けるような痛みが走るといった表現が使われます。手の指と指の間にペンを挟んで、挟んだ指2本を反対の手で握ってみるとどれだけの痛さかが体験できますよ。全く同じというわけではありませんがこれが足で起こるわけです。
歩けないほど痛いので、神経そのものを手術で抜いてしまえば痛くなくなるという理屈で行われる治療法がとられます。手術そのものは短時間で終わり、麻酔も効いているので患者の負担は軽いです。手術が終われば痛みから解放されています。
当然ですよね、神経がなくなっているのですから。
でも痛みは基本的に「何かおかしいよ」「危険が迫ってるよ」という身体からの警告なので、その警告が聞こえなくなったからといって、安心はできないはずですよね。原因が解決していないのですから。足に異常が起きても気づかないですし、免疫も落ちるどころか外敵にさらされても感知しないので、むしろ危険です。
例えると、火事が起きて警報ベルがなっているのに「うるさい」からとベルのスイッチを切っているようなもの。
骨や関節が変形し血液の流れが滞ってしまったところには、血液の老廃物(ゴミ)が溜まりやすくなります。その溜まったものがジャリのように結晶化し神経を刺激。刺激を受け続けた神経がコブになり骨と骨に挟まれて激痛を作ります。腰や首に出る「椎間板ヘルニア」と同じです。
なので解決策としては、椎間板ヘルニアと同じく、やはり足裏のジャリジャリした老廃物を崩していかないといけません。つまり神経を刺激する原因をなくします。 実際、酷い外反母趾で痛くて歩けなかったのがたった1度の足つぼで「歩くのが楽になった」とケースは珍しくありません。もちろん、たった1度では効果は一時的で長続きはしませんが、何度も繰り返し受けていくほどに「楽になる時間」は長くなっていきます。
老廃物を揉み潰している間は激痛に耐えていただく必要があるわけですが、その後のことを考えると、ぜひとも頑張って頂きたいです。そしてハイヒールなど、足に負担をかける靴は「どうしても」というとき以外はお預けです。 一番なのは痛みが出てしまってから慌てるのではなく、普段から足裏をよく揉みほぐして出来ないようにすることですね。やはり予防に勝る医なしです。
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