世界遺産姫路城では、春になるとソメイヨシノやヤマザクラ、シダレザクラなど、さまざまな桜がいっせいに咲き誇り、その奥深く柔らかな色合いが白壁に映える光景は「日本のさくら名所100選」のひとつに数えられています。
この写真は4月10日に撮影したものなので、だいぶん散ってしまった後なのですが、それでも美しい景色は残っていましたし、その景色を楽しもうと多くの人が訪れていました。
今年の春も多くの市民や観光客を楽しませてくれた姫路城の桜ですが、その絶景が近い将来見られなくなるかもしれません。城内に約千本ある桜の大半を占めるソメイヨシノは一斉に寿命を迎えつつあるのですが、世界遺産がゆえに植え替えるということができないのだそう。
姫路城の中堀から内側のほぼ全域は特別史跡に指定されていて、厳しい制約があり、原則建てられた当時の姿にしなければならないのだとか。姫路城天守は江戸初期、門や櫓を含めた現在の姿になったのは江戸中期です。今あるソメイヨシノは明治初頭に植えられたもので、もともとはなかったものなので「あってはならないもの」とみなされるそうです。
杓子定規に考えればすぐにでも桜は伐採、撤去するべきものですが、姫路市は「現在の桜は市民の愛着もあり、伐採はしない」方針です。ですが、「新たなソメイヨシノの植樹までは不可能だろう」という見解。なので「今あるものを守るしかない」と関係者が懸命に延命作業を続けているのが現状です。城管理事務所によると、「ソメイヨシノの寿命は60年程度で、姫路城の桜の大半は樹齢70年を経過している」らしく、延命にも限界があるとのこと。実際に弱ったり腐ったりしてしまった木がちらほらと。
ソメイヨシノの寿命はまだ分かっていなくて、ソメイヨシノの寿命60年説も根拠があいまいだそうです。青森県の弘前城のソメイヨシノは樹齢130年を越える木が存在します。そこにいちるの望みを託したいところです。 もちろん、今すぐなくなるというわけではないですが、桜のある姫路城がなくなるのは寂しいですよね。なんとかならないものでしょうかねぇ。
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