これまでカルシウムと老化の関係について記事にしてきましたが、今回はもっと突っ込んで免疫との関係をみていきたいと思います。
実は、普段何げなくしている手を動かしたり、歩いたり、食事を摂ったりといった行動も実はカルシウムのおかげだったりします。私達が身体を動かすのも心臓が動くのも全て細胞の働きによるもので、その細胞が活動する為のスイッチを入れるのがカルシウムなんです。
カルシウムが細胞内に入り、酵素と結びついて細胞のスイッチをONに入れます。そして、離れて細胞から出ていく事でスイッチはOFFになる。コレを繰り返して私達の身体は動いているんです。
もう少し具体的に見てみてみますね。筋肉細胞では、細胞内に入ったカルシウムが酵素のスイッチを入れることで筋肉が収縮します。そして、カルシウムが酵素と離れて細胞を出ていくと細胞スイッチがオフになり筋肉は弛緩します。このカルシウムの働きが繰り返される事で、私達は普段の生活で走ったり食事をしたりできます。逆に、この一連の作業がうまくいかないときにけいれんを起こしたりこむら返りなどの引きつりを起こしたりするわけですね。心臓や血管など各器官も同じです。
痛みやかゆみ等の感覚を脳に伝えるものカルシウム。神経細胞ではカルシウムが情報の伝達を仲介してくれます。神経を伝わる電気信号は、カルシウムがなければ起こり得ないわけです。
そして人体に有害な細菌やウィルスといった外敵が体の中へ侵入すると、体の中の免疫情報網が働き始めて、リンパ球という細胞へ「敵(抗原)が侵入したぞ」と伝えます。その情報のやり取りにもカルシウムが必要です。情報を受け取ったリンパ球は抗体というものをつくって、外敵とTリンパ球の戦争が始まるわけですが、抗体もカルシウムがスイッチがONにすることで初めて活動するのです。
つまり、私達の身体を24時間休み無く守ってくれるのもカルシウムがあってこそなのです。もうこれは人間の根幹を支えているといっても言い過ぎではないと思います。カルシウム=骨を丈夫にするというイメージが強いですが、それにとどまらず、生命維持のためには重要な栄養素ということですね。
そのカルシウムが身体の中に入ってこないで、不足してしまうとどうなるかというと、いま自分の身体に何が起きているかという情報が脳に伝達されなくなるので挙動も感情も不安定になりますし、脳の機能が乱れる訳ですから、認知症の可能性もでてきます。あらゆる細胞のスイッチがOFFのままになってしまうので生命維持も難しくなるわけです。
こうなると身体は危険を察知し対策を講じます。副甲状腺という臓器が骨からカルシウムを補おうとするのですね。不足した状態が一時的であれば、今度は甲状腺という臓器が骨にカルシウムを戻してくれますが、不足した状態が慢性的になれば骨からカルシウムが流れる一方になってしまいます。不足しているのに血中カルシウム濃度は過剰になってしまう。これがカルシウムパラドックスといわれるもの。骨はもちろんスカスカになります。骨粗しょう症といわれる状態ですね。
ところが、骨がもろくなるだけで終わらず、免疫機能にも異常をきたします。血液中のカルシウム濃度が上がりすぎると無意味に細胞にカルシウムが入り込み、常に細胞のスイッチがONになり続け、免疫細胞の間の情報交換を妨げ、暴走を起こし混乱を起こします。
免疫細胞が相手を間違えて、細菌やウィルスのような敵ではなく、味方であるはずの自分の体の一部を壊し始めることを自己免疫疾患や免疫不全疾患、免疫不全症、免疫異常などといいます。リウマチや膠原病(こうげんびょう)、筋ジフトロフィー、エリテマトーデス、血管炎など具体的に身体のどこで免疫の暴走や混乱が起きるかで病名が変わりますが、これらは血中カルシウム濃度の異常が要因だということがわかっています。糖尿病の1型も基本的に同じです。
自己免疫疾患の克服にはカルシウムの摂取と血中カルシウム濃度を調整する臓器の正常化が必要ということになります。血中カルシウム濃度を調整する臓器は甲状腺と副甲状腺です。副甲状腺が骨から血液へカルシウムを溶かし、甲状腺が余分なカルシウムを骨に貯蔵します。もちろん血液そのものの汚れを清浄化する腎臓機能を回復させることは必須項目です。
免疫の暴走は免疫そのものに罪はなく、異常な行動をさせてしまう体内環境が悪いのであって、その環境(体質)を変えてあげないといけません。
結局は血液循環が悪いことと血液そのものが汚れているからで、血液循環を回復させるためには足裏の大掃除が必須ということになります。
血液循環を回復させ体質を変えることは足つぼ(足もみ)の得意分野です。血液循環がよくなれば腎機能も回復し、血液をきれいに清浄してくれます。きれいな血液が全身に供給されれば免疫機能も正常化しますから、病気を克服し健康体になれるという理屈です。副甲状腺が正常になればカルシウムの吸収も正常化します。
副甲状腺の反射区(つぼ)はほぼ骨を揉む感覚なので難しい上に、人によっては気持ちの悪い痛みが走ります。ですがいわゆる難病とされている病気の克服には必須の場所なので頑張ってください。身体にトラブルを抱えていれば、それだけ足裏を揉むと激痛になるはずですが、最初の数ヶ月の我慢です。
ちなみに副甲状腺は花粉症克服のための重要箇所でもありますし、ここを念入りに揉んであげれば骨密度が上がったという例もあります。
あらかじめ知っておいてほしいこととして、免疫にトラブルを抱えている方が足つぼ(足もみ)を行うと、今まで眠っていた免疫が急に活動したり、暴走した免疫がさらに活発に動くことが多いので、発熱したりリンパがひどく腫れあがったりといった変化が出ることが多いです。dすが、それらは好転反応です。必ず起きる反応というわけではありませんが、そういう反応が起きることが多いというだけです。最初の好転反応に驚いて、足つぼを断念される方も多いのも事実です。でも、時間がたてば脳は何が起きているかを認識し、正しい命令をちゃんと免疫細胞に伝えられるようになりますから、免疫も落ち着きを取り戻し、健康に向かって変化してくれます。
おそらく数ヶ月単位、抱えている症状の重さによっては年単位の時間が必要になると思いますが、克服例も多くあるので希望をもって頑張ってください。
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