過食嘔吐という状態だったKさん、病院とあわせて半年近く足つぼに通っていただきました。10年近く食べては吐いてしまう摂食障害に苦しんでこられましたが、「食欲をコントロールできるようになったし、食べても吐き気を感じなくなってきた」とようやく改善の兆しがみえてきました。Kさんの場合も、学生時代にほんの軽い気持ちで始めたダイエットがきっかけだとのことです。
スリムになりたい。女性の永遠の願望ですよね。
世間は「痩せないと」というプレッシャーでいっぱいですし、そのプレッシャーが大きすぎてかなり無茶なダイエットに走る人も多いです。そして、その代償で苦しんでいる人も多いです。
無茶なダイエット法にもいろいろありますが、その一つ、「嘔吐してやせる」。
「たくさん食べても吐いちゃえばプラスマイナスゼロでチャラになる」「空腹感に苦しまずにやせられる」「どうせ吐くから食べ過ぎても問題ない」という感じで普通に食べたいものを食べたいだけ食べて気軽に嘔吐するという方法です。
最初はほんの思いつきで始めたこのダイエット法で、とりかえしのつかないことになってしまい苦しんでいる人が年々増加していますし低年齢化も進んでいます。
初めは自分の意志で嘔吐しますが、段々自分の意志とは無関係に反射的に食べたものを嘔吐するようになってしまいます。厄介なのが嘔吐の最中は快楽物質「ドーパミン」が脳内で大量に発生してしまうのですね。空腹を感じたり吐くことで「食べ物が体内に吸収されない、太らないですむ」と喜びや快感を感じてしまい一種の中毒のような状態に陥ります。こうなると吐かずにはいられません。
吐くのがわかっていても体内に食べたものがないので低血糖状態になり、本能レベルで異常な食欲が起き過食しますが、反射的に吐いてしまいます(過食嘔吐)。この段階で食べることに強い恐怖と苦痛を感じるようになり、食べること自体を拒否する「拒食症」へ変化したり、過食嘔吐と拒食症を交互に繰り返したりします。もうダイエットどころではなくなります。
病院に行くと「摂食障害」と診断されます。
摂食障害が進行すると、脳が萎縮し、さらに神経伝達物質(セロトニン)も減少してしまい、正常な判断ができなくなってしまいます。その結果うつ症状を起こしたり、パニック障害に陥ってしまうわけですね。最悪の場合、自殺を図るまでに至ってしまうこともあります。
このダイエットの結末としてよくとりあげられるのが、カレン・カーペンターという女性。世界的に有名なポップスグループ、カーペンターズのボーカリスト兼ドラマーの女性です。1969年から1982年にかけて活躍し、澄み渡るような歌声は世界中のファンを魅了し、「イエスタデェイワンスモア」や「トップオブザワールド」など、今でも知らない人はいない位有名な曲を世に出した女性です。
32歳という若さで、心臓麻痺によりこの世を去ることになるのですが、驚くのがその体重で、36kgだったそうです。32歳で身長が163cmあったことを考えると明らかに痩せすぎです。
16歳の頃のカレン・カーペンターは66kgと決して痩せているという体型ではありませんでした。デビューして大衆の目にさらされると体型を気にするようになり、食事制限を始めたことが摂食障害のきっかけだったようです。
初めは1食の量を減らすところから始まり、それが1食抜くように、1日抜くようになりと段々エスカレート。そしてついに食事をした直後に意図的に嘔吐する方法に至ってしまいました。さらにはそれに飽き足らず下剤を一回に80錠以上飲むまでになってしまうなど、徹底的に身体の中を空っぽにしなければいけないという思考になってしまったようです。そしてダイエットの無理がたたって死という最悪の結末を迎えてしまいます。
このダイエット法に手を出してしまいがちな人のタイプとして、自分を追い込む人が多いと思います。
親や周囲の人の評価や意向を気にして行動することが多く、自分の欲求を抑えこんでストレスを感じてしまう「優等生タイプ」。真面目で負けず嫌いなので、体に支障をきたしてでもダイエットを達成してしまう、「完全主義的性格」。
さらには、幼い頃に自分が発する情緒的信号を親がうまく読み取ったり、適切に答えてやることが出来ない環境にいたため、無条件に他人に甘えきれない人など。
克服には周りの協力が必要です。
・わかりやすい言葉で本人に起こっている状態を認識させる
・痩せないとというストレスから解放してあげる
・ありのままの状態を認めてあげること
など、痩せた体を元に戻すことより根気強い心のケアが優先です。
摂食障害は、脳や神経系が弱ってしまっているので、残念ながら本人の意志で克服することは難しいです。性格の問題や意志の弱さからくる病気ではないので、自力で治せないのは仕方のないことです。
ただ、食べて吐くという行為が止まらないというのは、なかなかまわりに理解されにくいのも実情ですし、心療内科でも摂食障害への知識が乏しいお医者さんも少なくありません。一旦なってしまったら克服するのは困難だと思います。
それだけに身も心もボロボロにしてしまう、絶対にやってはいけないダイエットと言えます。情報の乏しい一昔とは違い、今はネットで「吐いて痩せるの生々しい現実」が簡単にみつかるので、年頃のお子様がいるご家庭は食育の一環として話し合うべきことだと思います。
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世間は「痩せないと」というプレッシャーでいっぱいですし、そのプレッシャーが大きすぎてかなり無茶なダイエットに走る人も多いです。そして、その代償で苦しんでいる人も多いです。
無茶なダイエット法にもいろいろありますが、その一つ、「嘔吐してやせる」。
「たくさん食べても吐いちゃえばプラスマイナスゼロでチャラになる」「空腹感に苦しまずにやせられる」「どうせ吐くから食べ過ぎても問題ない」という感じで普通に食べたいものを食べたいだけ食べて気軽に嘔吐するという方法です。
最初はほんの思いつきで始めたこのダイエット法で、とりかえしのつかないことになってしまい苦しんでいる人が年々増加していますし低年齢化も進んでいます。
初めは自分の意志で嘔吐しますが、段々自分の意志とは無関係に反射的に食べたものを嘔吐するようになってしまいます。厄介なのが嘔吐の最中は快楽物質「ドーパミン」が脳内で大量に発生してしまうのですね。空腹を感じたり吐くことで「食べ物が体内に吸収されない、太らないですむ」と喜びや快感を感じてしまい一種の中毒のような状態に陥ります。こうなると吐かずにはいられません。
吐くのがわかっていても体内に食べたものがないので低血糖状態になり、本能レベルで異常な食欲が起き過食しますが、反射的に吐いてしまいます(過食嘔吐)。この段階で食べることに強い恐怖と苦痛を感じるようになり、食べること自体を拒否する「拒食症」へ変化したり、過食嘔吐と拒食症を交互に繰り返したりします。もうダイエットどころではなくなります。
病院に行くと「摂食障害」と診断されます。
摂食障害が進行すると、脳が萎縮し、さらに神経伝達物質(セロトニン)も減少してしまい、正常な判断ができなくなってしまいます。その結果うつ症状を起こしたり、パニック障害に陥ってしまうわけですね。最悪の場合、自殺を図るまでに至ってしまうこともあります。
このダイエットの結末としてよくとりあげられるのが、カレン・カーペンターという女性。世界的に有名なポップスグループ、カーペンターズのボーカリスト兼ドラマーの女性です。1969年から1982年にかけて活躍し、澄み渡るような歌声は世界中のファンを魅了し、「イエスタデェイワンスモア」や「トップオブザワールド」など、今でも知らない人はいない位有名な曲を世に出した女性です。
32歳という若さで、心臓麻痺によりこの世を去ることになるのですが、驚くのがその体重で、36kgだったそうです。32歳で身長が163cmあったことを考えると明らかに痩せすぎです。
16歳の頃のカレン・カーペンターは66kgと決して痩せているという体型ではありませんでした。デビューして大衆の目にさらされると体型を気にするようになり、食事制限を始めたことが摂食障害のきっかけだったようです。
初めは1食の量を減らすところから始まり、それが1食抜くように、1日抜くようになりと段々エスカレート。そしてついに食事をした直後に意図的に嘔吐する方法に至ってしまいました。さらにはそれに飽き足らず下剤を一回に80錠以上飲むまでになってしまうなど、徹底的に身体の中を空っぽにしなければいけないという思考になってしまったようです。そしてダイエットの無理がたたって死という最悪の結末を迎えてしまいます。
このダイエット法に手を出してしまいがちな人のタイプとして、自分を追い込む人が多いと思います。
親や周囲の人の評価や意向を気にして行動することが多く、自分の欲求を抑えこんでストレスを感じてしまう「優等生タイプ」。真面目で負けず嫌いなので、体に支障をきたしてでもダイエットを達成してしまう、「完全主義的性格」。
さらには、幼い頃に自分が発する情緒的信号を親がうまく読み取ったり、適切に答えてやることが出来ない環境にいたため、無条件に他人に甘えきれない人など。
克服には周りの協力が必要です。
・わかりやすい言葉で本人に起こっている状態を認識させる
・痩せないとというストレスから解放してあげる
・ありのままの状態を認めてあげること
など、痩せた体を元に戻すことより根気強い心のケアが優先です。
摂食障害は、脳や神経系が弱ってしまっているので、残念ながら本人の意志で克服することは難しいです。性格の問題や意志の弱さからくる病気ではないので、自力で治せないのは仕方のないことです。
ただ、食べて吐くという行為が止まらないというのは、なかなかまわりに理解されにくいのも実情ですし、心療内科でも摂食障害への知識が乏しいお医者さんも少なくありません。一旦なってしまったら克服するのは困難だと思います。
それだけに身も心もボロボロにしてしまう、絶対にやってはいけないダイエットと言えます。情報の乏しい一昔とは違い、今はネットで「吐いて痩せるの生々しい現実」が簡単にみつかるので、年頃のお子様がいるご家庭は食育の一環として話し合うべきことだと思います。
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