毎日血圧を測っている人は多いと思いますが、脈拍数までチェックする方は少ないと思います。でも脈拍数をみることで、いま疲れているかどうかの目安を確認することもできます。手首の脈でもどこでもいいのですが、10秒間の脈を測ってみてください。
脈拍数が12回以上の方は疲れていると思いますよ。12回というのはあくまで目安ですが、脈が速いほど疲れていると言えます。疲れによって壊れた細胞を修復するために、たくさんの酸素と栄養が必要になります。細胞に酸素と栄養を運ぶのは血液なので、たくさんの血液を早く運ぶために心臓がポンプの働きを速めます。だから疲れていると脈拍が速くなりますし、逆に、脈拍が速いと疲れているといえるというわけですね。
(ちなみに脈拍は1分間に65~85回が正常とされているので、10秒間だと14回までは健康上問題のない数値です)
残業、睡眠不足、ストレス。なにかと過酷な現代社会が引き起こしている疲労。生体の3大アラーム「痛み」「発熱」「疲労」の中で、とかく軽視されがちな「疲労」。疲労の研究が本格的に行われたのは1999年だそうで、意外と最近みたいです。文部科学省の研究班が算出したところによると、慢性疲労によって引き起こされる日本における経済損失は年間1.2兆円だそうです。この金額が大きいのかどうかはピンときませんが、国家を挙げての問題になっているということは間違いなさそうです。現在は30億円の国家予算が組まれているほど。
疲労で一番怖いのは「疲労感なき疲労」「自覚症状のない疲れ」です。ゲームや電話、ネットにお仕事・・・何かに没頭すると疲れは感じませんよね。むしろハイな状態になっていると思います。でも、そういうときこそ身体は確実に疲労しています。
さきほどの脈のチェックで14回以上なのに、それほど疲労感がない方は要注意。体は疲れているのに、脳は疲れを感じていない状態です。
疲れが溜まると、脳は眠気というかたちで、「休め」という命令を出しますが、それを無視し続けると脳は命令を出すのを諦めてしまいます。にもかかわらず、それでも休まない人がうつ病や精神疾患にかかり、最悪は心筋梗塞や過労死に行き着くわけです。
カラダはそうなる前に、より強制力をもった「発熱」や「病気(風邪)」という手段で休息をとらせようとしたりすることもあります。眠気を吹き飛ばすドリンクや発熱を抑える風邪薬って、実は怖いのですよ。カラダが「動かないで~、休んで~」って訴えてるのに、その警告を消してしまうわけですから。
疲れたときに手が伸びるのが栄養ドリンク。誰しも一度はお世話になったことがあると思います。この栄養ドリンクも、有効成分のほとんどは、カフェインと糖分、微量のアルコールです。カフェインの覚醒作用と微量のアルコールで気分を高揚させて、一時的に「疲労感」を消しているだけで「疲労」を消してくれるわけではなかったりします。ちなみに「タウリン○○mg配合」を売りにしているドリンクもありますが、タウリンがどのくらい疲労回復に効果があるかというと、実はよくわかっていないみたいです。
疲れたときや睡眠不足のときに、こうしたドリンク剤に頼って乗り切るということを続けていても、しょせんそれは「元気になった気がする」だけ。いくら愛情あるドリンク剤でも24時間「ファイト~!」と戦い続ければ、いつかは「限界」がやってきます。
疲労は基本的に睡眠でしか解消できません。いくら疲労回復に効果があると言われるサプリメントや食事すらも補助でしかありません。
少し矛盾すると思われるかもしれませんが、疲れを早く取るためには、だた安静にするより、その前にあえて軽い運動をしてあげるとよかったりします。 筋肉は体を動かすという働きのほかに、血液やリンパを流すポンプの役目を持っているので、筋肉を動かすことで心臓の負担を軽くして、血液の循環を促してあげるわけです。疲労した場所にちゃんと栄養を送ってあげられるよう、ある程度血の循環を促してから寝るというのがベストです。
そういう意味では、もちろん足つぼ(足もみ)も有効です。血液循環を阻害している老廃物を崩してあげれば、それだけスムーズに血液は流れます。それに足を刺激すると全身の血液がかき回されるので、全身の細胞を修復し、疲労物質の回収・排泄も早めてくれます。血の巡りがよくなると自律神経も回復し「疲れているカラダを休ませろ!」という命令も出しやすくなりますし、「どうせこの人休んでくれない」と諦めていた脳も「やっぱり休ませないと!」と睡眠を促すようになります。血の巡りが良くなった状態で睡眠をとってあげるのは理想的な疲労回復法です。
実際、ほとんどの方に「足を揉んだその日はしっかり眠れた、翌朝身体が軽くなった」という実感をもっていただいています。足つぼの最中は痛いですが・・・(でも足つぼの最中に熟睡される方も多いんですよ!)
つまり足つぼ(足もみ)は疲労回復に効果的というわけです。
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