日本に西洋料理が入ってきたのは、明治時代初期。エビも文明開化の流れを受けてこの頃に日本にやってきたといわれています。ただ、そのころは高級品で一部の高級レストランでしか味わうことができなかったそうです。
1961年(昭和36年)の輸入自由化で価格が下がり、一躍、人気食材に。一時、日本は世界一の消費量になったこともあったそうです。今では比較的気軽に味を楽しめる食材ですね。
ところで、エビの尻尾は食べますか?残しますか?
エビは高タンパク低脂肪で、ビタミンEの含有量が比較的多いことがわかってきましたが、エビの尻尾にも体に効果的な成分が大量に含まれている事がわかってきたんです。主な成分は次の3つ。カルシウム、キチン、アスタキサンチン。
カルシウム
エビの尻尾、実はカルシウムが豊富な部分です。カルシウムを摂取することで骨や歯が丈夫になったり、骨粗しょう症の予防にもつながり、またイライラが解消されたりとかも知られていますね。そして、これまで何度か取り上げてきたように、身体の新陳代謝や免疫機能にも重要な働きをする栄養素です。
キチン
キチンは、エビ、カニの甲羅などに多く含まれる動物性の食物繊維。キチンには、コレステロールの低減や免疫力を強化する働きがあり、エビの殻以外に、カニといった甲殻類の水産物に多く含まれています。大腸に運ばれてきた、過剰なコレステロールを便として体外に素早く排泄されるよう、大腸の蠕動運動を促進してくれます。また、腸内における内容物の滞留時間を短縮するので、腸内細菌の繁殖などを防ぐ働きがある事もわかってきました。
ちなみに、薬局などで販売されている「キチン・キトサン」は、キチンを化学合成して、体内の酸に溶けやすくしたものです。
アスタキサンチン
アスタキサンチン・・・この単語でピンと来た方は肌ケアに相当関心をお持ちだと思います。松田聖子さんや松たか子さんが出ていた赤色の某化粧品CMで一般に知られるようになりました。
アスタキサンチンとは、エビやカニに含まれる赤い色素のこと。エビに熱を加えると赤色になりますよね。あの赤い色素がアスタキサンチンなんです。赤色の理由はメイン成分にアスタキサンチンを使っているからなんですね。 そのアスタキサンチン、エビは殻や尻尾に特に多く含まれているんですよ。
アスタキサンチンは活性酸素を抑制する役割を果たします。血中において悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化され、血管壁に付着するのを防ぎ、さらに血管壁に付着してしまった悪玉コレステロールを取り除いてくれます。
さらに、この色素は抗酸化作用が強い事で知られており、シワやシミの予防及び抑制、肌荒れの予防といったアンチエイジング効果が期待できます。だから化粧品の有効成分に採用されているんですね。
ちなみに、アスタキサンチンは他のタンパク質と結合している状態で赤い色をしていませんが、加熱によって結合が分離された時に赤い色を発色する。したがって、加熱前の赤くないエビにもアスタキサンチンは含まれています。お寿司などの火を入れていないエビにも豊富にあるということですね。
どうですか?エビの尻尾は残してきた方、少しは興味を持っていただけたでしょうか?
そもそも、エビの尻尾は食べるものなのか?残すものなのか?マナーに関しては調べても答えは見つかりませんでした。どちらでもいいということだと思います。
エビの尻尾は固いので、慣れないと食べにくいと思いますが挑戦してみませんか?
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