いろいろな種類がある足つぼ、何が違う?

「いろんな足つぼがあるけど、何が違うのですか?」と、こちらもよくあるご質問です。

たしかに世の中にはいろんな足つぼがありますよね。ソフトだったり痛かったり、指の腹や関節でグイグイ圧す足つぼがあると思えば、当店のように棒や道具を使って揉む足つぼだったり。○○式、△△法、□□メソッドなど、ひと口に足つぼといっても様々な流派が存在します。なので、自分の好みや目的にあうお店を探すのも難しかったりすると思います。

細かいところをみるとキリがありませんが、どの足つぼも目的や効果は大きくみると2つ。反射区(ツボとよばれているもの)を刺激する反射区療法と老廃物を揉み崩すことによる血液循環の回復の2つです。もちろん、すべてを知り尽くしたというわけではありませんが、どの流派の足つぼも、ほとんどはこの2つを柱にしているといっていいと思います。そして、大雑把な区別にはなりますが、それぞれの違いはどちらの目的・効果を重視しているかということになると思います。

 

1反射区療法
反射医療法やゾーンセラピーといわれたりもします。反射区(いわゆるツボ)と呼ばれているものを刺激するものです。私たちのカラダにはたくさんの神経が集まっている場所を刺激すると、神経と脳を通じて臓器まで刺激が届き、働きを良くしたり反対に抑えたりすることができる機能が備わっています

ホントにそんなのあるの?って思うと思いますが、ちょっと面白い実験をしてみましょう。あくびが出たとき、または出そうになったとき、舌で上唇を刺激してあげるとあくびは止まるはずです。ある部位への刺激が臓器の働きを抑える例ですね。あくびをしては相手に失礼という場面で使ってください。(※あくびそのものはカラダの酸欠を補うものと考えられているので、むやみに止めるのはやめてくださいね)
この人間の不思議な仕組みを利用して、健康促進を期待するわけです。そして足裏には特に神経が緻密に走っているため効果を得られやすいのです。

ところで、足つぼといえば足裏の絵に胃や腸、腎臓や目といった全身の臓器が書き込まれた図をイメージすると思います。

こんな感じの図ですね。ここに腎臓や心臓など臓器の名前が書き込まれていますが、全く根拠のないオカルトの世界だと考えている人も少なくないのが実情だと思います。ですが、足つぼ自体は数千年前からあって長い時間の人体実験の結果経験的にある程度「ここを刺激すればここが反応する」ということは知られていました。それを医師のウィリアム・フィッツジェラルドと物理療法士のユーニス・インガムという人が科学的に研究して完成させたものなんです。足つぼというと東洋医学のイメージがありますが、意外と西洋医学の範疇だったりします。(欧米では外科医、内科医、歯科医と同じように足科医なんてのも存在します)その完成された図を元に生まれたのがリフレクソロジーという足のマッサージです。反射する、反映する、反応するというリフレクトから作られた造語です。

あくびを止める実験でわかっていただけると思いますが、反射区療法(リフレクソロジー)は強い刺激は必要ないと考えます。

反射区と臓器の関係について、NHKが「世界初かもしれない?」おもしろい実験をしていました。

小腸の活動をセンサーで調べるのですが、小腸の反射区を刺激すると小腸が活発に動きます。ところが、別の反射区を刺激すると小腸の活動は治まりました。「足裏と身体は何かでつながっているということがいえるのではないか?」と科学的に証明されつつあります。
https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2019/152/369678.html

 

 

2血液循環の回復
2つ目は、足に溜まった老廃物を崩すことにより、流れが悪くなってしまっている血液を正常に戻すことで、全身の細胞や臓器を元気にすることを目的としています。老廃物を崩すことを目的にしているため、足つぼではなく足もみといわれたりします。

心臓から送り出される血液が100%くまなく全身をスムーズに循環していれば、どの臓器にも負担はかからず健康でいられます。ところが、一箇所でも滞る場所ができるとうまく循環できません。そうなると、栄養素や酸素がスムーズに運ばれなくなり、全身の臓器や細胞が栄養不足や酸素不足に陥って弱ってしまいます。その結果、いろいろなトラブルや病気に発展します。

人間には怪我で傷が出来たり病気になったりすると、損傷したり弱った部分を修復しようとする、いわゆる「自然治癒力」が備わっています。が、この素晴らしい機能も良好な血液循環があってこそ。
重力の関係で足の裏は真っ先に老廃物の溜まり場となり、血液の渋滞の原因になりやすい場所です。なので、その足裏に溜まった老廃物の塊を崩してあげると、全身の血行が回復するという理屈です。血液さえ全身の細胞にくまなく届けられれば、後はちゃんと自然治癒力が働いて頑張って悪くなったところを治してくれます。実際に足裏を強く揉みほぐすことで、全身の血液循環はよくなりますし、様々なトラブルが解消された例は数え切れません。

 

足つぼの特徴のひとつに痛みがありますが、その痛みについても1の反射区療法を重視するほど痛みは軽く、2の血液循環を重視するほど痛みは大きいといえます。
撫でているようにしか感じないソフトな足つぼほど1を重視し、大きな痛みを伴う足つぼは2を重視しているということですね(テレビでよく見る罰ゲームの足つぼは、ただ痛くすることだけを目的としているので別物と考えてください)。

老廃物は手の力ではなかなか崩れてくれません。なので、こういった道具をつかいます。基本的に手だけで行う足つぼは反射区療法を重視しているといえるでしょう。

もちろん、どれが正解ということはもちろんありませんし、それぞれ素晴らしい考え方の上に確立されています。ですが個人的にはまずは老廃物を崩して血液循環の回復を優先すべきと考えます。確かに足裏に刺激を与えれば臓器は活性化します。ですが、それは一時的なもので長続きしません。
例えば、馬にムチを打てば馬は速く走ってくれます。ですが、その馬が空腹だったり栄養失調だったりするとすぐにヘタってしまいますよね。まずは食事をとってカラダにエネルギーと栄養を与えなくてはいけません。臓器や細胞にとっての食事は血液です。それらにちゃんと血液が届くように、血液循環を阻害している足裏の老廃物を崩してあげるべきだと思うわけです。

こんな風に足裏にたまった老廃物を揉み崩していきます。崩れるときに大きな痛みになりますが、解れていくに従って、徐々に気持ちいい痛さになっていきますよ。

蛇足ですが関西で有名なCMです。

「頑張ってや~」と檄を飛ばす社長。頑張ろうとする社員。ところが次の瞬間停電に。当然工場設備はストップします。
「社長、頑張れませんけど?」
くどいですが工場は臓器、電気は血液です。血液が止まればカラダは頑張れません。まずはちゃんと働ける環境を作ることが大切だということです。

足裏にいっぱい溜まった老廃物の掃除は最初は痛くて大変だと思いますが、段々痛みは小さくなっていきます。そうなると血液はスムーズに循環できるカラダになって、全身の臓器や細胞が再びしっかり働いてくれるようになりますよ。

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