5000年前から伝わるインドの医学のアーユルヴェーダでは白湯は風、火、水の3要素が入った魔法の飲物と呼んでいます。
人はドーシャと言われる風(ヴェータ)、火(ピッタ)、水(カパ)の3つの力があって、このバランスが崩れると不調になると捉えているらしいです。その3つを強力に整えるのが白湯と考えられています。
身体の中を強力に掃除して整えてくれるお白湯は、基本的に無味無臭です。が、体調次第で感じられる味が変わる不思議な飲み物。体調がいいときは甘みを感じられたり、反対に調子が悪いときには苦味や渋み、ザラザラした感触や血の味がしたりと飲みにくくなります。
ゴクゴク飲めるということは「いま健康なんだな」と健康度のバロメーターとなるわけです。
火にかけて沸騰させ続けたほうが不純物が取り除かれて味が軽やかになり飲みやすくなるのですが、毎回火にかけるのは大変です。足つぼ(足もみ)も毎日行うのが理想ですから、できれば手軽に作るにこしたことはないですよね。
デトックスだけを考えれば、手軽に電子レンジでチンしただけのものでいいと思います。
世の中にはそんなお白湯の味を積極的に追求しようという人たちも存在しているそうで、茶道や華道のように、白湯道という言葉も生まれているみたいです。
・どこのお水をつかって
・どこで作られた、どういう形の鉄器で
・どれくらいの火力でどれくらい沸騰させるか
・どこの陶器にいれて何度まで冷まして飲むか
・どう飲むか
シンプルな飲み物だけに工程がひとつでも変わると味も大きく変化するらしいです。いろんな世界があるものですね。
また、厳密にはお白湯ではないのですが、紅茶をいれる人もお湯にはこだわりがあるようで、美味しい紅茶を入れるためにはジャンピングという要素が必要不可欠。ジャンピングのためにはお湯の作り方はとても重要なんだとか。
ジャンピングとは、ティーポットの中で茶葉が上下にゆっくりと移動すること。この現象が起こることで、茶葉が開いて紅茶の風味が一層引き立つらしいです。
こだわっているのは日本だけらしく、海外ではそうでもないらしいのですが、繊細な日本人ならではということでしょうか。(そもそも水が違うから?)
で、そのジャンピングのメカニズムはお湯の中の酸素と一緒に茶葉を上に浮かせ、茶葉が水分を吸い込み下に落ちる事を繰り返すことで起きるとのことですが、
「お湯を沸騰させすぎると水に溶け込んでいる酸素が出てしまう」
ので、完全に沸騰させてしまわず95度から98度で加熱を止めること。それを見極めるのが重要で、それがプロの技なんだとか。
水を加熱しただけの単純な飲み物ですが、追求しようとすればどこまでもこだわることのできる、単純なのに結構奥の深い飲み物なんだと思います。
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