足つぼ(足もみ)の後は「目がスッキリ」「目のかゆみが消えた」「視界が明るくなった」という感想をいただきます。続けていくうちに「ドライアイもマシになってきた」という方も。これらは血液の巡りが良くなって「ちゃんと涙がでるようになった」ということが関係していていると思います。
目のトラブルにはいろいろありますが、目がかゆい、ゴロゴロする、疲れる、痛い、かすむ、まぶしい、目が充血する、目がショボショボして目をあけていられない、天気のいい日は目が痛くて仕方がない......など。
これらはドライアイの症状です。日本眼科学会によると、「日本におけるドライアイ患者は約800万人から一番多い報告では約2,200万人とも推定され、もはや国民病と言っても過言ではない疾患になりつつある。オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり年々増加傾向」だそうです。
公益財団法人日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_dryeye.jsp
まず知っていただきたいこととして、涙は血液から作られるんです。
涙は目尻にある涙腺から分泌されます。涙腺は毛細血管から血液を取り込むのですが、涙腺と血管の間にある細胞膜は、フィルターの役割があって、赤血球などの大きな成分は通過できません。そのため、赤い色素が抜けて、涙腺から流れ出るときには、透明な色に変わって、私たちが知っている涙になるわけです。
血液をろ過した透明な液体・・・それが涙なんです。
ところで、話はドライアイから逸れますが、よく「泣くことはストレス発散になる」と言われますよね。これは「血液≒涙」の面からも説明できます。
人はストレスを感じると、血液中にコルチゾールというストレス物質が増加します。涙として目から出すことで、このストレス物質を捨ててカラダにかかるストレスを和らげようとしているのです。人は老廃物を出すことでカラダを健康な状態に保つようにできていますが、涙も同じですね。
なので、生活は不規則でストレス社会の現代、涙を流すことは乱れた心と体を安定させるため必要な行為だったりします。
人は感情が揺れ動くと、心拍数と血圧が上昇します。頭部に涙のもとになる血液がどんどん集まり始め、ろ過された涙で目が潤み出します。頭に血が集まるときは、緊張状態で血管も緊張のため縮まったまま。涙腺に血液がほとんど流れ込みません。ところが、強い緊張感が緩むと一転、血管が拡張。頭に集まった血液が涙腺に大量に流れ込み、涙が急激に増えます。
緊張と緩和をコントロールしているのは自律神経。つまり、涙を流すことは自律神経が関係しています。緊張をうまく暖和できない「自律神経のバランスの崩れた人」は涙が出にくいということです。
自律神経のバランスを整える、これは足つぼ(足もみ)の得意分野です。足の老廃物を取り崩すことで血液循環が良くなります。頭部にもちゃんと血液が巡るようになります。全身の血液循環が回復すると緊張状態もしっかり緩和されます。自律神経のバランスが整うと、涙も出やすくなりますよ。
話をドライアイに戻します。
ドライアイのポイントになるのが涙です。私たちの眼は常に涙が分泌され、目を潤しています。
その常に分泌されている涙のことを「基礎分泌の涙」といい、分泌量は1日におよそ3ccと非常に微量です。ところが、ドライアイを発症している人は、この微量な基礎分泌の涙すら流せていない人も年々増えています。
パソコン・携帯電話・スマートホンなど、画面を凝視する場面が増えたことで、常に緊張状態になって、涙腺への涙の供給ができていないことが、一番の原因だと考えられています。先ほど触れたように、涙のもとになる血液は、緊張が緩まないと涙腺に流れこみません。ものすごく緊張した時には口が乾きますよね。それと同じ理屈です。
そして、基礎分泌の涙は、まばたきをする度に涙腺から押し出されることで分泌されます。ところが、画面を凝視する場面では、集中力のあまりまばたきを回数が減少します。目の表面をゆるやかに流れ、目頭の涙点へと排出されます。通常、まばたきは1分間におよそ20回。これが5~8回になるとドライアイは急速に進行する危険があると考えられています。
涙の分泌量が少ない上に、供給もされないため、眼の表面からすぐに涙が蒸発。どんどん乾燥した場所が現れてドライアイの完成です。
眼の表面が乾くと角膜を保護しているバリアがなくなるので、細菌やウイルス、ハウスダスト、花粉などにさらされ、これに対抗するために炎症が起きやすくなります。ドライアイになると目が充血しやすい、かゆくなる、痛みが出るというのはこのため。
涙はほぼ血液なので、その成分は酸素や栄養がたっぷり含まれています。眼球表面にも栄養を供給しているのですが、ドライアイになると、その栄養供給もストップすることに。眼が正常に機能しないのは当然です。
さらに話は難しくなりますが、角膜にはかすかな凸凹があります。涙が少ないと光が分散してしまい、通りにくくなります。その為、網膜にはモノが暗く写ってしまうのです。でも、涙が角膜を覆えば、滑らかなレンズが作られるので、光りを多く取り込み明るく映し出すことができるのです。つまり、ドライアイの人は気付かぬうちに、暗いところで視力低下してまっていのです。
また「涙は潤滑油のように眼球のスムーズな働きを助けている」ので、ドライアイになると、特に早く動くものが見えにくくなることがあります。
このため夜間の運転などで、咄嗟の判断が鈍くなってしまう危険が高まってしまいます。
足つぼ(足もみ)を続けていくと「視野が明るくなった」「暗いところでモノがよく見えるようになった」という感想が出るのは、角膜を覆う涙のレンズがちゃんと作られるようになったから、というのが理由のひとつだと思います。
ドライアイの改善には、意識して瞬きの回数を増やすこと。そして、その前に涙がしっかり出るようにすること。
涙が出るようになるためには、自律神経を整えて、緊張と緩和のコントロールができるようにする。
血液の巡りを良くして自律神経を整えるのは足つぼ(足もみ)の得意分野で、とても有効な解決策になりますよ。
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