納豆が介護問題の救世主になる!?

いま世界中を騒がせている感染症ウイルスの影響で、店頭からマスク、消毒液、体温計などが消えています。SNSの「なくなる」というデマからトイレットペーパーも一時消えました。同じくSNSの影響でなぜか納豆も消えているようです。
連日新たな感染者報告がニュースで流れていますが、茨城県からは感染者がなかなかでないことに注目した人が、「もしかして納豆の産地で、日常的に納豆を食べているから?」と発信したことがキッカケなんだとか。



納豆に感染予防の効果があるのかどうかはわかりませんが、たしかに納豆は上の表にまとめたように、栄養や酵素が豊富。感染予防に不可欠な免疫系の活動にも栄養は必要です。

なかでもナットウキナーゼは心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓(血の固まり)を溶かしてくれることで、30年以上前から注目されてきましたが、最近になって高齢化社会の介護問題を解決するスーパーフードとして改めて注目されてきています。 大豆は栄養豊富な食べ物ですが、消化が悪いという欠点があります。でも、納豆は作られる過程でプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ、トリプシンなど、ナットウキナーゼ以外にも100種類を超える消化酵素が生成され、これらの酵素が消化を助けてくれ、大豆の欠点を解決してくれます。この点だけ見ても、お年寄りや子ども、病人には絶好の栄養食品です。 さらに最近の研究で、「食べるだけで筋肉や骨を強くする」ということもわかってきたようです。介護問題が深刻な時代に、これは朗報ですよね。

 

●筋肉を増やす! デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが発表した報告によると、高齢者は2週間、まったく足を動かさずにいると、筋力が23%も低下するようです。筋肉量にして250gです。使わずにいるとあっという間に衰えてしまいますし、250gの筋肉量を取り戻すのに平均6週間もかかるとのことです。

20代の筋肉量を基準にして、約40%にまで減ると要介護の状態になると言われています。だから運動は大事になるのですが、運動ができない寝たきりの人でも、毎日大豆を食べることで筋肉量や筋力をアップすることができるそうです。

そもそも納豆は筋肉のもとになるたんぱく質が豊富。そのため「畑の肉」と言われるほど。
でも、運動しなくても筋肉が増える・・・にわかには信じられないのですが、2009年から徳島大学とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が>「無重力下で生じる筋萎縮について、予防・改善効果がある機能性宇宙食の開発」を共同研究して、2018年に「大豆たんぱく質や大豆イソフラボンが筋萎縮の改善に効果的であることを突き止めた」という業績が文部科学大臣賞を受賞しています。


https://www8.cao.go.jp/space/prize/third/pdf/jirei-fy29-5.pdf

宇宙飛行士は、宇宙での無重力空間では筋肉に負荷がかからないため、わずか数日間の宇宙滞在であっても地球に帰還した際には、歩行困難になるほど筋力が落ちます。JAXAだけでなくNASAも帰還宇宙飛行士のリハビリ法を日夜研究しています。食べるだけで筋力が増えるのなら、まさに夢の食品ですね。

かなり難しい話になるので、簡単に要約すると
大豆たんぱく質」がユビキチンリガーゼCbl-bという筋線維を破壊する物質から筋肉を守ってくれてます。そして、骨格筋に炎症が起きると筋肉は細くなりますが、「大豆イソフラボン」はその炎症を抑えます。
さらに、大豆には血流を促す「ポリフェノール」が豊富に含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、筋肉細胞の老化を防いでくれる。

これらの作用によって筋肉量のアップあるいは筋肉量の減少を防いでくれるらしいです。

詳しく知りたいという方はリンク先のPDFを参照して下さい
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2016/11/09/1378693_004.pdf

 

 

●骨も強くする!
弱くなったと言われる現代人の骨。日光を浴びる時間が短い高緯度の北欧地域では、ビタミンD不足による骨粗鬆症が大きな社会問題になっています。閉経後の女性の3分の1が骨粗鬆症と言われる程。ビタミンDのサプリメント摂取は欠かせません。
ノルウェーでは、一年間に骨折する国民の数が日本の5倍と深刻です。そこで薬として納豆を薬として食べ始めたところ大きく改善されたので、NATTOが注目されているそうです。

日本でも納豆と骨折の興味深い関係が新聞記事になっていました

https://www.asahi.com/articles/ASK9W4CLGK9WUBQU00V.html

近畿大や大阪医大の研究グループが人口10万人当たりの発生率を都道府県別に調べた結果、中部から関西、九州など西日本で高い傾向がみられることが分かった。明確な要因は不明としながら「食生活が影響している可能性もある」との見方を示している。(中略) 納豆の消費量が関係するといった報告がある。ということらしいです。

糸引きが少ない、臭いがしない、タレも関東とは違う味にしたりと、納豆も日々進化したおかげで、関西人も納豆を食べるようになってきました。それでも消費量はまだまだ関東には及ばないようです。
ちなみに、日本骨粗鬆症学会が発表するガイドラインでも骨粗鬆症予防のために推奨される食品として納豆があげられています。

納豆の何が骨に影響しているのかというと、ビタミンK2。ビタミンK2は、カルシウムが骨に沈着するのを助ける作用が強く、骨粗鬆症の予防や改善に効果がある成分として認知されています。このビタミンk2の含有量は、納豆が群を抜いて多いので推奨されています。

 

(おまけ)
●究極の納豆
そんな優れた日本の伝統食の納豆ですが、どうせならおいしく食べたいもの。タカラトミーが究極に美味しい納豆が作れる納豆撹拌器(かくはんき)を販売しています。






魯山人納豆鉢
https://www.takaratomy-arts.co.jp/specials/nto/


タカラトミーが研究したところによると、305回練ったタイミングで醤油(タレ)を投入。その後に119回撹拌することで究極の納豆が完成するとのこと。撹拌器を使わなくても、頑張ればお箸でも400回かき混ぜることは可能だと思います。興味を持たれた方は試してみてはいかかでしょうか。

 

 

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