温冷交代浴で心も身体も「ととのえる」

緊急事態宣言期間の2か月ほど、生活必需品の買い物以外は外出せず、ずっと自宅で生活し、テレワークで仕事も自宅で続ける。動かない生活に慣れてしまうと、精神的にも肉体的にも疲れやすい体質になってしまっていると思います。解除されてもしばらくは自粛モードは続きます。

特に自宅でのテレワークは、仕事のオンオフの切り替えが難しくなって脳疲労をためやすく不眠になったり、睡眠の質が低下しがち。自律神経は勝手に動くものなので、自分の意志でコントロールすることはできません。自律神経を根本的に回復させるためには睡眠しかないのですが、自律神経が乱れると不眠になって、不眠になるから自律神経がさらに乱れるという悪循環。この悪循環が続くと、いわゆる「うつ病」に発展するので、早期になんとかしないといけません。

ちなみにですが、「新型コロナうつ」「コロナぼけ」「アフターコロナ症候群」といった新しい名前もできてしまっているようで、厚生労働省の発表によると、全国の精神保健福祉センターに寄せられた新型コロナに関する心の相談は、4月は4946件だったそうです。

新型コロナウイルス感染症にかかる心の健康相談に関する精神保健福祉センターの対応状況
https://www.mhlw.go.jp/content/000634930.pdf

疲労回復や自律神経の乱れを解消するのに最適なのが、足つぼ(足もみ)!足裏の老廃物を揉みつぶすことで全身の血行が良くなると、疲労も回復しやすくなりますし、なにより眠れるようになりますし睡眠の質も上がります。そうなると自律神経の乱れも落ち着いてきます。が、毎日足裏の老廃物をセルフケアするのは大変ですよね。

そこでおすすめなのが、毎日のお風呂で行う温冷交代浴。言葉は難しいですが、やり方は簡単。熱いお湯で身体を温めて冷たい水で身体を冷やすを交互に行うだけ。これで自律神経を「ととのえる」のです。


身体を湯船に浸かって温める(2~3分)

シャワーで身体を冷やす(1~2分)

再び湯船に浸かって体を温める




これを3~7セット。セット数は好みでいいと思いますが、これくらいの回数をこなすと明らかに身体の変化を実感できると思います。本来は銭湯などでサウナまたは熱い湯船と、冷たい水風呂に交互浸かってを繰り返すのですが、家庭では基本湯船は一つなので難しい。でも、冷やすのはシャワーで充分です。サウナの場合は蒸気で温めるので時間がかかりますが、湯船に浸かると短時間で効果を得られます。

注意点はシャワーで身体を冷やすとき、いきなり全身に水を浴びるのではなく、1セット目は手首と足首だけとか、無理のない範囲から行うことです。末端を冷やすだけでも効果は得られます。
また、心臓疾患、高血圧、動脈硬化を患っている方は、お医者さんに相談の上、行ってください。

最後は温めて終えるのか、冷やして終えるのか。これもいろいろな意見がありますが、結論はどちらでもいいと思います。
もともとはリハビリ目的で考えられた入浴法なので、温かいお風呂で始まって、温かいお風呂で終わるのが良いとされています。一方、サウナ好きの方は「最後は水風呂で締める!」派が圧倒的に多いと思いますし、「ととのう」と呼ばれるリラックス状態は、最後に冷やす方が得やすいと感じる人が多いようです。
それぞれに理にかなった理屈があるので、どちらかは好みでいいと思います。

 

この交代浴、今ではスポーツの世界でも取り入れられつつあるようです。スポーツ活動によって起きる身体の疲労を、素早く回復できる方法として期待できるとして活用されています。2018年の平昌オリンピック・パラリンピックにも、わざわざ浴槽を持ち込んで選手のサポートに利用されました。



2018年平昌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会の概要
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/001_index/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/16/1403150_003.pdf

国際総合競技大会における医・科学サポート拠点の設置
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/info/doc/SSEAS/SSEAS_113-116.pdf

なぜ交代浴で自律神経が整うのか、疲労が回復するのかというメカニズムは、まだはっきりわかっていないみたいです。
医師で入浴研究の第一人者の早坂信哉東京都市大学教授によると、「血管の拡張と収縮を繰り返すことで、血管自体がポンプの役割を果たして、血流が促進されるのではないか」ということです。なので、ただ温かいお湯に浸かっているよりも血行がよくなり、疲労回復効果も高くなるのでは?という見立てです。

また、福岡教育大学保健体育ユニットの片平誠人教授も「温めると血管は拡張します。逆に冷やせば縮小します。それを交互に繰り返すことで、血管の弾力性や柔軟性が改善できるのではないか」ということです。それが「疲労回復に貢献しているのではないか」と考えているようです。

どうやら血管の拡張と収縮が関係してそうな感じですが、やはり血の巡りというところにいくつくのだと思います。科学的根拠はそのうち解明されると思います。
私たちが必要なのは理屈よりも安全に効果が得られるかどうかです。交互浴をすると、本当に深く寝られますよ。繰り返しになりますが、疲労や自律神経は睡眠でしか回復しません。なので睡眠の質が高まる温冷交代浴はおススメです。
毎日の交代浴に、たまには足つぼ(足もみ)をプラスすれば完璧です!

 

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