むくみは水分の摂りすぎというイメージがあると思いますが、たんぱく質も関係してきます。むくみとたんぱく質は一見関係なさそうに思えますが、血液中に存在する「アルブミン」というたんぱく質が関係してきます。
アルブミンとは血液中に存在するたんぱく質の一つで、食事から摂取したたんぱく質から、肝臓で合成され、全身に行き渡ります。 アルブミンは水分を吸収する力がきわめて強い性質をもっています。その性質を利用して、細胞間にあふれた使用済みの水分を血管やリンパ管へ取り込む手助けをする働きを持っています。つまり水分調節の要な物質です。 難しい言葉で膠質浸透圧(こうしつしんとうあつ)といいます。 男性に比べて女性がむくみやすいのは、血液中のたんぱく質の量が男性より少ないからという、体質的な問題もあるわけです。
ちなみに、発展途上国で飢餓に苦しんでいる子どものお腹が膨れているのも、同じ理屈です。「食べてないのに太っている?」というのは誤解です。栄養失調、特にたんぱく質が不足しているので、血管やリンパ管内に水を取り込む力が弱くなっています。もともとお腹の中には、腸がスムーズに動くために少量の水がの溜まっているのですが、溜まる一方で血管内に回収されなくなった結果、空腹なのにお腹が膨れているという状態になるわけです。
現代の日本において飢餓に陥ることは、まずないと思いますが、偏った食事や急激なダイエット、高齢者は食が細くなったりで、たんぱく質の摂取不足になりがちです。このような食生活が続くことで腸内環境が悪化し、血中たんぱく質の量が少なくなると、むくみ体質の下地が完成します。
むくみを防ぐには運動も大事なのですが、普段の食生活で良質なたんぱく質をしっかり摂ることも重要ということです。健康の基本は食です。それと、アルブミンは肝臓で生成されるので、少しでも肝臓の負担を軽くするために、アルコールや暴飲暴食は控えるべきですね。
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