人は30代から疲れや老いを感じやすくなります。これは、加齢とともに血液循環が悪化していくので、細胞のダメージを修復できなくなっていくことが一番の原因。ですが、自律神経の老化も見逃せません。
呼吸、心拍、血圧、体温調整、消化吸収や代謝をつかさどる自律神経が衰えたら、若さを保てなくなるのは当然のことですね。自律神経を構成している神経細胞(ニューロン)は、一度傷つくと再生されません。なので、歳を重ねるごとに酸化ダメージが蓄積されて自律神経の機能は右肩下がりになるというわけです。
健康やアンチエイジングのためにも自律神経のケアは重要です。
そんな自律神経も、普段の何気ない事や良かれと思ってやっていたことが、実は負担をかけていることも多いのですが、そのいくつかを挙げていきますね。
ベジタリアン
自律神経が働きすぎると活性酸素により酸化ダメージが蓄積します。この酸化防ぎつつ自律神経の疲労軽減に役立つのが、イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)。最近よく聞かれるようになった成分ですが、鶏胸肉やカツオなど肉類や魚類に多いです。
最近増えてきたベジタリアン、さらに進んだビーガンといわれる人たちは、これら肉も魚も口にしないのでイミダペプチドが摂れません。なので、自律神経が回復しにくいのです。
たしかに、野菜のβカロテンや果実のビタミン、各種ポリフェノールなど、植物由来の成分にも抗酸化作用はありますが、脳内で持続的に働きにくいという難点があるのです。
もちろんベジタリアンやビーガンにも素晴らしい効能があると思いますが、自律神経を労わるという点からは心配な点ではあります。睡眠の質がとても重要になってくると思います。
睡眠前のミルク
2017年の流行語大賞トップ10に選ばれたのが「睡眠負債」。本屋さんにも未だに専用のコーナーができるほど、不眠に悩んでいる人は多いです。在宅勤務が増えた分、4年立った今は、むしろ前より深刻さは増しているかもしれません。
イライラしていると眠れない→イライラするのはカルシウム不足→なのでカルシウムが豊富な牛乳を飲めばイライラが収まって眠れるはず。
こう考えている人も少なくないかもしれません。さらに、世の中にはナイトミルクなるものも存在します。ミルクの中に睡眠を誘発する成分も見つかったとか。ですが、これらは都市伝説の類だということがわかってきました。
たしかにホットミルクで眠れるという人はいますが、実は温かい飲み物が胃腸に入って副交感神経が働いただけの可能性が。医学的には乳脂肪分が多いので、就寝中、身体は消化吸収に忙しくなり、自律神経は疲れます。
何か飲まないと眠れないという人は、胃腸に全く負担をかけない白湯に替えてみてはいかがでしょうか?
運動でストレス発散
身体を動かして汗をかくと爽快で気持ちいいですよね。仕事で疲れたらジムに寄って筋トレや有酸素運動に励んで発散されている人も多いと思います。ですが、過度な運動は自律神経にはマイナスです。
心拍を調整し、発汗による体温調整は自律神経の仕事。仕事でヘトヘトなのに、ハードな運動に励みすぎると、自律神経の負担は増すばかり。しかし、運動の辛さに耐えた爽快感が、その負担を自覚させません。いわゆる「疲労感なき疲労」がたまる状態になる一方です。
疲れにはスタミナ食(とビール)
労働の後の一杯は疲れとストレスを吹き飛ばしますよね。疲れにくい体にするためにがっつり思いスタミナ食で身体に精を付ける。昔からよく言われていますし、古代エジプトでピラミッドを作った労働者も、元気になるためにタマネギやニンニクを使ったスタミナ料理とビールを飲んでいたという記録が残っているそうです。
ですが、スタミナ料理は消化するのに胃腸に大きな負担をかけるので自律神経にも大きな負担がかかります。加えて、アルコールは脳内に入り、自律神経の中枢に直にダメージを与えます。酔いがそのダメージを麻痺させているので自覚はありませんが。 さらに、アルコールの利尿作用で身体が脱水することも、自律神経には大きくマイナスです。適度な負荷は問題ないのですが、大きすぎる負荷は自律神経の寿命を縮めてしまいます。
自律神経を癒すのにいいのは散歩、温冷交代浴、ヨガもいいですね、そして足つぼ(足もみ)。共通しているのは血液を積極的に、そしてスムーズに巡らせてあげることです。
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